テレビや雑誌でも取り上げられ、最近ではSNSでも話題を呼んでいるグルテンフリー。
しかし、SNSやネット上では、「グルテンフリーは体に良い」という声もあれば、「グルテンフリーは全く効果がない」という声もあり、何を信じて良いのか分からない状態になっています。
多くの芸能人や世界的アスリートも取り入れているグルテンフリーは、果たしてどのようなメリットがあるのか。
この記事では、グルテンフリーのメリットやデメリットについて詳しく解説していきます。
【この記事のポイント】
✓グルテンフリーが及ぼす影響
✓グルテンフリーのメリット・デメリット
✓グルテンフリーの始め方
グルテンフリーとは
本来は、欧米などでセリアック病患者の治療として使われていましたが、最近ではセリアック病の有病率が低い(※)日本でも見かけるようになりました。
その理由は「グルテンフリー=健康」というイメージがあるからです。
たしかに、グルテンは体にさまざまな悪影響を及ぼすため、アレルギーを持っている方は摂取しないのが望ましいです。
ただし、アレルギーやセリアック病などの疾患がない場合は、グルテンフリーを取り入れることでリスクもあるので、後程詳しく解説します。
「なんとなく体に良さそうだから」という理由だけで取り入れるのではなく、グルテンの性質やグルテンフリーについて、理解した上で始めるようにしましょう。
グルテンが体に及ぼす影響とは
パンやパスタ、ピザにうどんなど、多くの食べ物に含まれているグルテンですが、近年では小麦アレルギーやグルテン過敏症(不耐症)など、さまざまな疾患が問題視されています。グルテンによる体への影響はアレルギー反応だけでなく、ニキビなどの肌荒れ、頭痛、倦怠感、集中力の低下、下痢、便秘など、言い出せばキリがないほどです。
病気でもないのに「なんとなく体がだるい」などの症状は、もしかしたらグルテンが原因かもしれません。
なぜグルテンフリーが注目されているのか
近年、日本でも多くの人が取り入れるなど「グルテンフリー」が注目を集めています。その理由のひとつに、著名人の存在があります。たとえば、プロテニス選手のジョコビッチ選手やモデルのミランダ・カーさんなど。日本では俳優のディーン・フジオカさんなどもグルテンフリーを取り入れているといわれています。
また、ジョコビッチ選手は、自身の著書『ジョコビッチの生まれ変わる食事』でグルテンフリーによって体調がよくなったことを発表しています。
多くの著名人の言葉から「グルテンフリーは体に良い」というイメージが先行し、日本でも注目を集めるようになったと考えられます。
グルテンを含む食材
グルテンは、私たちが普段口にしている多くの食材に含まれています。例えば、パンやパスタ、うどん、ラーメンなどの小麦食品は代表的ですが、
・かららげ、とんかつ(衣の小麦粉)
・餃子の皮
・シュウマイの皮
・市販のカレールゥ
・麦焼酎、ビール
・グラノーラなどのシリアル系
・ケーキ、クッキー
・ブイヨン
・醤油
など、それ以外にも多くの食材、調味料にグルテンは含まれているのです。
また、ヴィーガンの代表的な食材オートミールも、オーツ麦だけはグルテンフリーに該当しますが、輸送や製造工程でグルテンが混入している可能性があるので注意しましょう。
グルテンフリー生活を始めるということは、これらの食材を口にしないことになるので、食生活が大きく変化する可能性があると考えられます。
グルテンを含まない食材
グルテンを含まない食材は・お米
・そば
・肉
・豆腐
・野菜
・魚介類
・ナッツ
・果物
などが該当し、グルテンフリー生活を始めるなら食生活を和食中心に切り替えることが大前提となります。
小麦食品を主食としていた方には少し酷かもしれませんが、和食を中心にすることで、肉や魚、大豆などをバランスよく摂取でき、健康的な食生活を送ることができます。
注目されるグルテンフリー4つのメリット
それでは、グルテンフリーによって得られるメリットを解説していきます。
グルテンフリーのメリットはこちら。
・小麦アレルギーの発症を抑えられる
・便秘や下痢の解消
・ニキビなど肌荒れの改善
・ダイエット効果
・トランス脂肪酸を減らせる
小麦アレルギーの発症を抑えられる
グルテンフリーを取り入れることで、小麦アレルギーやセリアック病、グルテン過敏症(不耐症)などの発症を抑えることが可能です。アレルギーは子供のころで決まると思っている方も多いと思いますが、小麦アレルギーは大人になってから突然発症するリスクもあります。
また、気づいていないだけで軽度のアレルギーを持っている可能性もあるので、「小麦を食べると体調が悪くなる」という方はアレルギーを疑ってみてください。
そんな中、グルテンフリーを取り入れることで疾患やアレルギーの発症を抑えることができることは、大きなメリットといえるでしょう。
便秘や下痢の解消
グルテンは、人間の消化器官で消化しづらく、消化できなかった未消化物は腸の粘膜にへばりつき、粘膜は炎症を起こします。粘膜が炎症を起こすと穴が空き、そこから異物などが侵入すると消化器官としての機能が低下し便秘や下痢などの症状が出てしまうのです。
このような症状を「リーキーガット症候群」と呼び、グルテンは腸内環境を乱す代表的な食べ物といえます。
そのため、グルテンフリーを取り入れることで、腸内環境が整い、便秘や下痢などの症状も解消される可能性があります。
ニキビなど肌荒れの改善
グルテンによる腸内環境の乱れは、便秘や下痢だけではおさまりません。ニキビや吹き出物などの肌荒れも、グルテンが原因の可能性があります。
他にも、アトピー性皮膚炎や花粉症なども、一見グルテンとは関係ないように思えますが、実はグルテンが原因ということが考えられます。
グルテンフリーを取り入れることで、ニキビなどの肌荒れが改善される可能性もあるので、悩んでいる方は一度試してみてはいかがでしょうか。
ダイエット効果
食事で糖質を取ると血糖値が上がり、人はその血糖値を下げるためにインスリンとホルモンを分泌します。しかし、インスリンには糖分を脂肪に変えて体内にため込む働きがあり、血糖値が急上昇によって過剰にインスリンが分泌されると脂肪がたまりやすくなるのです。
グルテンは血糖値を急上昇させる働きがあるので、グルテンフリーを取り入れることで血糖値の上昇をゆるやかにすることが期待されます。
トランス脂肪酸を減らせる
クッキーやケーキなどの加工食品には、トランス脂肪酸と呼ばれる成分が含まれています。トランス脂肪酸は、マーガリンやビスケット、ショートニングなどにとくに多く含まれており、最近ではこのトランス脂肪酸が人体に悪影響を及ぼすことが分かっています。
例えば、トランス脂肪酸の過剰摂取により、心筋梗塞などの冠動脈疾患が増加する可能性が高いとされ、肥満やアレルギー疾患にも影響していると言われています。
しかし、グルテンフリー生活を始めることで、トランス脂肪酸を多く含む食材を回避することが可能です。
そのため、腸内環境の回復やダイエット効果だけでなく、心筋梗塞などの大きな疾患を未然に防ぐことができるので大きなメリットといえます。
参照:厚生労働省:トランス脂肪酸に関するQ&A
グルテンフリーのデメリット
「グルテンフリーで体の調子が良くなった」という声もあれば、「グルテンフリーは効果がない」という声もあるように、“グルテンフリーの効果には個人差”があります。
もともと、セリアック病や小麦アレルギー、グルテン過敏症(不耐症)など、グルテンが原因で体調不良を起こしていた方はグルテンフリーを取り入れることで体調が良くなるかもしれませんが、それ以外の方がグルテンフリーを始めると単純に栄養バランスを崩してしまう可能性があります。
そうなると、体の調子が良くなるどころか逆に体調不良になることもあるので、まずは2週間程度試して、体調不良の原因がグルテンであるかどうかを確認することが重要です。
グルテンフリーの始め方
そのため、グルテンフリーを始めるなら下記に注意して始めるようにしましょう。
➀いきなり完全グルテンフリーではなく徐々に始める
➁様子を見ながら慎重に行う
➂小麦食品以外から食物繊維などの栄養素を取り入れるようにする
まずは、いきなりすべてのグルテンを除外する完全グルテンフリーではなく、「普段食べるパンをご飯に置き換える」など徐々に慣らすようにしましょう。
私たちの普段口にする食べ物、調味料のほとんどにグルテンが含まれています。
そのため、完全グルテンフリーにすると食べられるものが限られてしまい、それが原因でストレスになる可能性もあるので十分注意しましょう。
また、グルテンフリー生活2週間で様子を見て、問題なければ継続するなど自分の体と相談しながら進めるのがベストです。
コツは“無理なく継続する”こと。
グルテンフリーを始めるなら、今までよりも食品に含まれている栄養素などを確認しながら、バランスよく摂取することを心掛けましょう。
グルテンフリー専門店「avan渋谷本店」
メニューはすべて完全グルテンフリーなので、小麦アレルギーの方やグルテンフリー生活を取り入れている方にもおすすめです。
中でも一番人気は“米粉のチュロス”。
米粉のチュロスはフレーバーが豊富で、どれも絶品です。
その他、タコライスやオリジナルドリンクなども提供しているので、ぜひお気軽にお立ち寄りください。
まとめ
グルテンフリーには多くのメリットがありますが、すでに健康な人が取り入れる際は栄養バランスなどに注意しなければなりません。まずは、肌荒れや体調不良の原因が「もしかしたらグルテンかも…。」と思う方は、少しずつグルテンフリー生活を始めてみてはいかがでしょうか。
グルテンフリーのメリットや期待できる効果、始める際の注意点など、この記事を参考にしてみてください。